ボルドーのワインには、ネゴシアンが生産者から買い集めてブレンドして造られるワインと、ラベルにMis
en bouteilles au Chateau 或いは、Mis en bouteilles
a la propriete と書かれた生産者元詰めのワインがあります。
ボルドーは、約11万5000haの葡萄畑、そしてフランスのAOCワインの3分の1を占める年間5億本の生産量があり、世界で最も広大な高級ワインの生産地帯といえます。、また、ボルドーワインの生産量の約75%を赤ワインが占めています。
ボルドー地方の気候は温暖で、雨が少なく、土壌は痩せていて、しかも水はけがよく、葡萄栽培には非常に適しています。「良いワインは、よい葡萄から」、これがワイン造りにおける鉄則です。ボルドーの葡萄たちの一年を見てみましょう。冬の間は、選定作業を除けば、葡萄の樹は静かな眠りにつき、うららかな春の日差しを感じるまでエネルギーを蓄えておきます。3月、10℃位の気温の下で発芽します。4月の初めには葉が出始め、6月上旬には開花します。7月に結実し、8月には太陽の恵みを一杯に受け色づきます。一年中で一番活気づく季節「ヴァンダッシュ(収穫)」は、9月の終わりから10月の始めにかけて行われます。そして、いよいよワイン造りの始まりです。赤ワインは、次のようなプロセスで造られます。葡萄の収穫後、果梗が除去され、破砕した後、葡萄の果皮・種などと一緒に発酵させ、2週間ほどかけて色素やタンニン等を十分い抽出します。発酵温度は23〜35℃位です。その後、樽で2年ほど、目減りする分を足しながら熟成させます。次に、コラージュと呼ばれる清澄作業を行います。生又は粉状の卵白など
を使用してワインを清澄し、瓶詰めします。白ワインの醸造は、赤に比べてよりシンプルです。除梗し、破砕し、圧搾し、果汁のみを20℃前後で10日〜20日位かけて発酵させます。澱引きを経て樽やステンレスタンクに1年ほど寝かせ、清澄し、瓶詰めして出来上がりです。
ボルドー地方のワイン造りの特色の一つとしてあげられるのは、殆どのワインが単一の葡萄品種から造られるのではなく、数種の葡萄のブレンドから生まれるということです。ブレンドの比率は、シャトーごとに異なりますし、その年の葡萄の出来によって変えられます。全ては、シャトーの「メートル・ド・シェ」と呼ばれている醸造責任者の手にゆだねられています。
「ワインは、土壌と気候、そして人間の知恵の産物である」と言われる由縁は、ここにあるのです。
|